今後定年を65歳以上に引き上げる可能性がある企業は半分以上に上るというロイター企業調査の結果が、昨日出ていました。

よくよく見ると、定年延長を「年度内」または「3年以内」に実施すると回答しているのは260社中30社強に過ぎず、65歳定年の会社が急に増えるということはなさそうですが、多くの会社が少なくとも検討課題としては認識しているということでしょう。

定年延長によるメリットとデメリットの比較についても、デメリットよりもメリットのほうが大きいと回答する企業のほうが多く、定年延長に対してわりとポジティブな傾向ですね。具体的なメリットとして回答の7割以上を占めていたのが「技術ノウハウ継承」と「人手不足緩和」の2つであり、人材不足・人手不足が背景ににあることがわかります。

しかし、どの会社も一様に定年延長に肯定的というわけではありません。業種や個別企業ごとでも状況は異なるでしょうし、同じ会社の中でも職種などによって定年を延ばしたいところとそうでないところがあるかもしれません。

社員に60歳以降どう働いてほしいのか(あるいは他に活躍の場を見つけてほしいのか)という各社それぞれのメッセージを定年制や60歳以降の人事制度、退職金・企業年金制度に込め、伝えていくこと、それによって社員が自分のセカンドライフをイメージできるようになり、最後までモチベーションを失わずに仕事に取り組めることが、これからの「退職給付」に求められる役割になるのではないでしょうか。