リスク分担型企業年金を導入する初めての事例が出そうです。
記事によると、総合型の厚生年金基金に加入していた企業が基金の解散に伴い、その後継制度としてリスク分担型企業年金(RS)を導入するようです。

解散した総合型基金の後継に企業が独自に用意する制度としては、確定拠出年金(DC)を採用するケースが多く、確定給付企業年金(DB)を採用するケースは少なかったですが、ここに新たな選択肢が加わった形ですね。

既存のDBをRSに移行しようとすると、給付が減ってしまう可能性を抑えるために多額の追加掛金が必要になったり、給付設計や資産運用、ガバナンス等の様々な観点から検討を加えたうえで労使合意を得る必要があるためなかなかハードルは高いですが、一旦解散した基金の後継という形であれば比較的導入しやすい面はあるでしょう。

ただ総合型厚生年金基金の解散・代行返上はすでにかなり進んでいますので、今後同じような形で導入するケースは限られるのではないかと思います(厚生年金基金制度の実質廃止と同時にRSが実施可能になっていれば、もっと多くの事例が出ていたかもしれませんが)。

記事によると他にもRSの導入を検討している企業があるということで、どのような形態で実施する事例が出てくるのか、注目したいと思います。