いま人事が抱えている課題は何なのか、こちらにHR総研による最近の調査結果が掲載されていました。

調査は「人」と「組織」の2つの軸で実施されており、人に関しては次世代リーダー育成や採用(新卒・中途)、組織に関しては従業員のモチベーション維持・向上や長時間労働への対応といった回答が多くなっています。「売り手市場」「働き方改革」というワードが浮かんでくる結果ですね。

これに対して「高齢者雇用・活用」「中高年活用・再生」「再就職支援」「退職金の導入・改定・廃止」という回答はそれほど多くありません。しかしフリーコメントとして以下のようなコメントも紹介されており、一部の企業では社員や社会の高齢化への対応が課題として強く認識されているようです。
  • 現状は、65歳までの再雇用だが、今後3~5年で定年65歳再雇用70歳を検討すべき時期に来ている(メーカー、1001名以上)
  • 大量採用時代の高齢者の退職による責任者の退職への対応(メーカー、1001名以上)
  • 大量定年退職後にマネジメントができるか否か。縮小していく国内市場に対応するグローバル市場で活躍できる人財が増えているか(メーカー、1001名以上)
  • 今後数年で定年退職者(嘱託再雇用者)が大幅増の見込み。原則フルタイムで正社員時代とほぼ変わらない業務を継続してもらう。しかし、給料は下がる。モチベーションをどのように維持してもらうかが課題(運輸・不動産・エネルギー、301~1000名)
  • 確実に人材不足となる中で、経験のある高年齢者などをどう活用していくか。高年齢者も、収入のためだけではなく、世の中のシステムを維持するためにも、役割を担って社会を支えていただかなくてはならない。人生90年時代、定年後30年近くの人生をどう生きるか(サービス、300名以下)
最後のコメントなんかは、人事の課題であると同時に、社員個人が向き合わなければならない課題といえます。

今後団塊ジュニア世代が50代になっていくにつれ、社員や社会の高齢化への対応という課題はより顕在化してくるのではないかと思います。だとすれば、そうした課題を人事(企業)も社員も今のうちから認識したうえで対処していくことが必要であり、我々はそれをサポートし、後押しする存在でありたいと思います。