先日、当社のPmasサイトにて、連載コラム「企業年金連合会の共同運用事業について」を公開しました。

第1回:共同運用事業の概要
第2回:企業年金連合会の運用方針と運用実績
第3回:共同運用事業のメリットと留意点

詳細は上記リンク先を見ていただければと思いますが、以下概要を紹介します。

共同運用事業とは
共同運用事業とは、法律に基づいて、企業年金連合会が確定給付型の企業年金からの委託を受けて年金資産の運用をまとめて行う仕組みです。委託された資産は、各企業年金の持ち分を明確に区分したうえで、連合会自身が運営している通算企業年金(こちらを参照)の資産と一体で運用されます。

企業年金にとっては、「共同運用事業」という新たな運用商品の選択肢が1つできたと考えてよいでしょう。

共同運用事業の特徴
運用商品として見た共同運用事業の特徴を3つあげると、1つ目は運用コストの低さです。第3回の連載に書いたとおり、資産規模数十億円の企業年金でも、運用コストは資産残高の0.2%台になると考えられます(一般的には0.5%程度のコストがかかっている)。

2つ目は比較的リスクを抑えた運用を行っていること。政策アセットミックスは債券が80%、株式が20%となっており、期待リターンは2.6%、リスク(標準偏差)は5.0%とされています。

3つ目は様々なオルタナティブ投資を取り入れていること。こうした運用を小規模の企業年金が単独で実施するのは困難ですが、共同運用事業を通じて幅広く投資対象とすることができます。

共同運用事業の留意点
共同運用事業での運用は連合会自身の運用方針に沿って行われるため、導入時はもちろん、導入後もその運用方針を確認した上で、自企業年金の運用委託先としての妥当性や、自企業年金の運用全体の中での共同運用事業の位置づけについて、検証しておく必要があります。

また、通常の運用受託機関(信託銀行、生命保険等)での運用とは異なり、掛金の拠出や給付の支払いに伴う資金の出入りには対応していません(したがって年金資産のすべてを共同運用事業で運用することはできない)。年金資産全体に占める共同運用事業の資産割合を定期的にチェックし、必要に応じて資金の追加や取崩の手続きを行い、調整していく必要があります。

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昨年(2016年)10月に始まった共同運用事業ですが、コラムにも書いたとおり、連合会では(コストの観点から)積極的な広報活動は行っておらず、特に連合会の会員になっていない企業にはほとんど知られていないのが現状ではないかと思います。

ただもともとは、厚生年金基金制度が原則廃止となったことに伴い、小規模の企業年金が効率的に資産の運用を行えるようにという趣旨でできた制度であり、資産規模の大きくない企業年金にとっては検討の余地は十分にあると考えます。