一昨日の記事で紹介した総務省の統計ダッシュボードのサイトから、今回は、現役世代とリタイア世代の人口の推移に関するデータを取ってみました。

■日本の「15~64歳」と「65歳以上」の人口推移
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生産年齢人口(15~64歳)は減り続ける一方で老年人口(65歳以上)は増え続けており、人口の高齢化が進んでいることがよくわかります。

両人口の前年からの増減をグラフにすると次のようになります。
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(2009年だけ例外的に生産年齢人口が前年比で増加しているのは、太平洋戦争の終戦直前に出生数が減少し、この年に65歳になる人口が少なかったためと考えられます)

これでいくと、当然、国の年金の収支にはマイナスに働いていくことが予想されるわけですが、では厚生年金の被保険者(保険料を払っている人)と受給権者(年金をもらっている人)の人数の推移はどうなっているでしょうか。

■厚生年金の被保険者数と受給権者数の推移
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厚生年金に入るのは現役世代のなかでも会社員だけですので(注1)、被保険者数は先ほどの生産年齢人口の4~5割程度となっています。
(注:2015年10月からは公務員も厚生年金に加入)

これに対して受給権者については、過去に1か月でも厚生年金に加入していていれば老齢年金の受給権者となり、また会社員の配偶者であった人で遺族年金を受給している人、65歳未満で特別支給の老齢年金を受給している人等も含まれるため、直近では老齢人口を上回って推移しています。

両人数の前年からの増減をグラフにすると次のようになります。
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先ほどの年齢区分での推移と異なるのは、保険料を負担している被保険者も近年増加傾向にあることです。2013年以降は受給権者数の伸びを上回って増えており、これによって受給権者数が被保険者数を上回る直前のところで踏みとどまっている状態ですね。

ちなみに厚生労働省の直近の統計(2016年3月末)でも、公務員等を除く厚生年金の被保険者数は3,686万人(前年比+87万人)、受給権者数は3,600万人(前年比+74万人)と、被保険者数の増加のほうが大きくなっています。

これは、女性と高齢者(60歳以上)の厚生年金の加入率が高まっているためです。

先日「あらかた出そろっている年金制度の対応策」にも書いたとおり、今後の年金制度改正としては、支え手のほうを少しでも増やしていくというのが基本的な方向性になりますが、現行制度のもとでもまだその余地はあり、実際その方向に進んでいると言えます。