連休真っただ中の5日、厚生労働省の運用専門委員会で議論が進められている確定拠出年金(DC)の運用商品本数の規制に関する記事が、日経電子版に掲載されていました。

論旨がよくわからなくなっている部分もありますが、もともとの課題にあるのはDCでの運用が定期預金などの元本確保型商品に偏りすぎている(投資信託への配分が小さい)ということであり、その一因に商品数が多すぎると選べなくなる(「よくわからないからとりあえず定期預金にしておこう」となる)ことがあるのでは?というのが議論のスタートになっています。

なお、上限を設けること自体は既に法律で決まっており、現在進められているのはその具体的な本数をどうするかとういうことです。

記事の中では、「選択肢は10本以内でよい」という「一部の専門家」の声を紹介しつつ、DCビジネスの業界に配慮して「関係者の話から察すると、上限は少なくて20本、多ければ40本近くに落ち着くのではという。」としています。これをもって「骨抜き」という見出しをつけているんでしょうが、本数を絞ればより投資信託が選ばれるようになるという単純なものではありません。

実際、当社が加入している総合型のDC(多数の中小企業が同一の規約、同一の商品ラインナップのプランに加入するタイプのDC)では、商品数は10本とシンプルなラインナップになっていますが、資産残高の比率でみると、元本確保型が6割を超えています。

結局のところ、重要なのは企業が従業員に対して行う投資教育であり、従業員が商品ラインナップの中身を理解して自分で選択できるように説明しようと思ったら、ほとんどの企業は商品を絞らざるを得ないのではないでしょうか(もしくは前回の委員会資料にあったとおり、「基本的な商品」と「応用的な商品」を明確に分ける)。

適切な投資行動を促すという意味で「骨抜き」を防ぐには、単に本数の上限をどうするかということだけでなく、企業による投資教育や商品ラインナップの見せ方などについても考えていく必要があります。

そして、「投資信託の割合を増やす」という観点でより大きな効果が期待できるのは、委員会で議論されているもう一つのテーマである「デフォルト商品」の基準を、法の趣旨通りに設定することだと考えます。

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