昨年成立した改正確定拠出年金法により努力義務化された従業員への継続教育、施行日は「公布の日から起算して2年を超えない範囲」で政令により定めることとされており、遅くともあと1年程度のうちには施行されることとなります。

新たに確定拠出年金制度を導入する際の「導入時教育」や、新入社員に対する「加入時教育」については(教育というよりはほとんど説明で終わってしまうと思いますが)、概ねどの会社でも実施されているのに対して、継続教育については、毎年のように実施しているところからやったことがないところまで様々であり、会社よって取り組み度合いには大きな差があります。

企業年金連合会の調査(2016年)によると、継続教育について5回以上実施したという会社が一定数ある一方で、「実施したことはない」会社は約3割となっています。総合型のプランに加入している中小企業(→当社のこと)なども入れると未実施の割合はもっと高くなるでしょう。

(ちなみに当社は何回か継続教育やってます。念のため。)

継続教育が加入時教育と比べて難しい点はいくつかありますが、その1つは関心・理解の内容や度合いが従業員によって異なることです。全社員向けに一律の内容でやっても、「ついていけない」という社員と「もっと詳しく聞きたいという」社員に分かれてしまう可能性があります。

したがって、「今回はこの層を対象にこのテーマで」という形で対象を絞りつつ、回数を重ねていくのが効果的でしょう。対象の絞り方にはいろいろあると思いますが、年代別に分けるというのが1つの方法です。年代別に研修を実施している会社であれば、そこにDCの継続教育を組み込むということも考えられます。

というわけで、当社で実施しているDCについて、もし年代別に加入時教育及び継続教育のテーマを設定するとしたらどうなるか、ちょっと考えてみました。

【新入社員向け】
・当社の確定拠出年金制度について
・掛金配分指定にあたっての考え方と実習
・掛金配分指定と変更の手続き

【2年目社員向け】
・運用状況の見方と実習
・掛金配分の変更とスイッチングの違い
・スイッチングの手続き

【4年目社員向け】
・DC掛金の選択肢と手続き(当社の場合、4年目から掛金パターンの選択が可能となる)
・DC掛金を増やすことのメリットと留意点
・60歳前に資格喪失した場合に必要な手続き(当社の場合、勤続3年で掛金の返還がなくなる)

【30代~40代】
・これまでの運用結果の振り返り
・アセット・ロケーションについて(こちらの記事を参照)
・社会保障制度を踏まえたマネープランの考え方
・セカンドライフプランの考え方と実習
・税の仕組みと確定申告 

【50歳時】
・ねんきん定期便による公的年金の試算
・DCの給付の受け取り時期と受け取り方法の選択肢
・受け取りまでの運用の考え方と実習(こちらの記事を参照)

【60歳前】 
・DCの給付と税・社会保険料との関係(こちらの記事を参照)
・受給の手続きについて
・運用を継続する場合の手数料

30代以降のところであげたテーマは制度内容にかかわらずどの会社でも共通しそうですね。DCとは別に退職一時金や確定給付型の企業年金などを実施している会社では、その金額や受け取り時期(方法)などについても取り上げておくのがよいでしょう。

とは言え、継続教育はやったことがないという会社では、まずは基本的なところから始める必要があると思います。新入社員向け、2年目社員向けの内容をしっかり用意したうえで、他の社員も自由に受けられる機会を設けるところから始めてはいかがでしょうか。