昨日の日経朝刊1面トップはこの記事でした。

国立社会保障・人口問題研究所、通称「社人研(しゃじんけん)」は5年おきに日本の将来人口を推計しており、4月10日に最新の推計結果が公表されたことを受けたニュースです。

「政府が経済成長に必要とする1億人を保つのは難しく、政策は大きな見直しを迫られる。」とありますが、その続きに書いてあるとおり、前回(5年前)の推計結果と比べると1億人割れする時期は5年遅くなっています。つまり、5年たったけど1億人割れするまでの残り年数は変わらなかったという意味ではむしろポジティブな内容と言えます。

記事では「出生率の回復が人口減を緩めた」とありますが、寿命が延びた(死亡率が低下した)影響もあるのではないかと思い、前回の推計結果と実際の数字を比べてみました。

2015年から、前回の推計結果で1億人割れとなっていた2048年までの人口の減少は、
  • 前回の推計:2747万人
  • 今回の推計:2338万人
となっており、409万人減少幅が抑えられています。

2048年までの出生数と死亡数を累計して比較すると、
  • 出生数の増加:239万人
  • 死亡数の減少:15万人
となっており、やはり出生率の見込みが上がったことによる影響が大きいですね。ただ上の2つでは409万人には155万人足りません。

人口の増減要因には、出生と死亡による「自然増加(減少)」に加え、人の移動による「社会増加(減少)」があります。ということは、155万人分の増加は、日本にやってくる人の数が増えるか、外国に出ていく人の数が減るか、あるいはその両方かということになります。

これを確かめる直接の数字は見当たりませんでしたが、外国人の入国超過数は前回と大きく変わらなかった一方で、日本人の出国超過率がほとんどの年齢で低下しており、これが155万人分の主な要因と考えられます。

というわけで、死亡率の低下の影響はそれほどでもありませんでしたが、以下のとおり、前回の推計よりも平均寿命はさらに伸びる予測になっています(社人研の公表資料より抜粋)。
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特に男性が前回推計と比べて伸びが大きくなっています。

この将来推計のもととなっているのは、2015年から2065年までの、0歳から105歳までの1歳ごとの、男女別の死亡率です(全部で51×106×2=10,812個)。この死亡率を使って、今20歳、30歳、40歳、50歳の人がそれぞれ何歳くらいまで生きることになるのか、次回計算してみたいと思います。