今月16日に開催した東京での「年金と退職金の賢い増やし講座」の最後に、「iDeCoとNISA、どちらも税制優遇のある仕組みですが、どのように使い分けるのがいいですか?」という質問を受けました。

これに対する私の回答は、次のとおりです。
  • 老後資金の積み立てを目的とするなら、掛金の所得控除があるiDeCoをまず使い、掛金の限度額以上に積み立てる余裕があれば、その部分についてはNISAを使う。
  • 老後資金に限定せず、途中で引き出す可能性があるならNISAを使う。
実際、私自身もこれを実践していて、さらにiDeCoに加入する前から入っている個人年金保険なんかもあったりします。

このように、お金の貯める(増やす)には、まずその目的(使い道、さらに言えば使う時期)に応じた適切な仕組みを選ぶこと、そしてそれぞれの仕組みの中で(投資が可能であるなら)何に投資していくかを決めていくことが重要になります。

ちなみに、この「仕組み」を「お金の置き場所」と捉え、どこにいくら置いておくのが最適なのかを考えるのを、「アセット・ロケーション」と言ったりします。これに対して、どの資産にいくら投資するのが最適なのかを考えるのが、「アセット・アロケーション」です。

そして、資金の用途に応じたアセット・ロケーションとアセット・アロケーション、つまり、「何のために」「どの仕組みを使って」「何に投資するのか」を表したのが、下の3重円グラフです。我が家のケースをもとに作成したものです(全くこのとおりというわけではありませんが)。
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円の中心にあるのが「何のために(目的)」の部分であり、上のグラフでは、資金の25%を老後資金、25%を教育資金、残り50%は使途を細かく決めず、自由に振り向けられる資金と位置付けています。使う時期という観点では、老後資金は20年以上先、教育資金は10~15年先、その他の資金はいつでも(あるいは5年以内に)使えるお金ということになります。

その周りにあるのが「どの仕組みを使って(アセット・ロケーション)」の部分であり、老後資金に対しては個人年金保険とiDeCoとNISAの組み合わせ、教育資金についてはNISAとジュニアNISA、一般の証券口座の組み合わせ、その他の資金は貯蓄性の保険や定期預金を使っています。

そして一番外側の円が「何に投資するのか(アセット・アロケーション)」の部分です。個人年金を含めた保険と定期預金については、それがそのまま投資対象ということになりますが、iDeCoやNISAを含む証券口座に関しては、その中で投資先を選ぶことになります。

私の場合、iDeCoに関しては、以前は債券での運用も組み入れていましたが、現在はほぼすべて株式で運用しています。NISAも老後資金に充てる部分については株式とし、教育資金に充てる部分については債券での運用としています。

但し、「老後資金のすべてを株式で」「教育資金のすべてを債券で」運用しているというつもりはなく、定期預金や保険で運用している「その他の資金」の中にも、老後や教育に振り向けられる資金は含まれています。

ちなみに、さらに詳細な投資先はというと、株式に関しては大半が外国株式の投資信託(インデックスファンド)、債券に関しては外国債券の投資信託(インデックスファンド)と日本の物価連動国債を投資対象とした投資信託、それに一般口座ではNISAで買えない米国債を持っています。

というわけで、今回は私自身のケースをもとに1つの例を示しましたが、じゃあこれから将来に向けてお金を貯めよう(増やそう)としたときに、どうするのがいいのかということについて、私なりの考え方を次回お示ししたいと思います。

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