昨年の7月に「半年で64%値上がりした40年国債」という記事を書きました。リンク先を見ていただければわかるように、2015年12月末から2016年6月末までの半年間で国債金利(特に期間の長いもの)は大きく下がり、40年国債の価格は64%上昇しました(クーポンを無視した簡便計算、以下同じ)。

その後半年たって、金利はどうなったでしょうか。

前と同じように、財務省の国債金利情報から各月末の金利をグラフにしてみます。
1

価格の推移はこちら。
2

期間の長い債券については、2016年6月末を境に金利は上昇(価格は下落)に転じています。

各月末の時点を横軸にとって、10年~40年の国債金利と価格の1年間の推移を見るとこんな感じです。

<金利>
3

<価格>
4

マイナス金利導入前の2015年末の水準には到達していないですが、半分くらいは戻ってきた感じですね。いいように捉えるなら「バブルが弾ける前にしぼみ始めた」という感じでしょうか。

これくらいの差であれば、(10%重要性基準の範囲に収まって)退職給付債務の割引率を引き下げなくてもよい12月末決算企業も多いと思います。ただ2015年末にギリギリ収まっていたいたようなケースだと、見直しが必要になる可能性は高いでしょう。

また、2016年3月末の水準との比較では、金利はやや上昇しています。このままいけば、3月末決算企業で割引率を大きく変えなければならないケースはほとんどなさそうです。

(「このままいく」保証はどこにもないですが…。)