このブログで、ここ最近、2番目によく読まれている記事に「iDeCo掛金を給与天引きにしないメリット」というのがあります。

給与天引きの事務負担を避けたい企業の人事・総務担当者を想定し、給与天引きを希望する社員に対して、天引きしないことのメリットも説明できるとやりやすくなるかな~と思って書いたものですが、実際読んでるのはiDeCoに加入する側の個人が多いような気がするので、個人の立場で改めて給与天引きにしない(個人口座からの引き落としにする)メリットを書いておこうと思います。

「給与天引きにしないメリット」は「給与天引きにすることによるデメリット」の裏返しであり、「iDeCoに加入するとき」「加入している間」「離転職のとき」のそれぞれについて、給与天引きによるデメリットをまとめていきます。

加入するとき
上にも書いたように、会社の人事・総務担当者にとって給与天引きはできれば避けたい事務です。単純に事務作業が増えるということに加え、処理を間違えたりすると、後で面倒なことになるからです。

なので給与天引きを希望すると、たぶんあまりいい顔はされないでしょう。デメリットという以前に、そもそも給与天引きは受け付けられない可能性もあります。

また、勤務先で給与天引きでのiDeCo加入が初めての場合、「事業主の証明書」に加え、加入申出書への掛金引落口座の記入等についも会社に依頼する必要があります。会社の担当者が対応に慣れていなかったりすると、事務処理が遅れてiDeCoへの加入時期が遅れる可能性もあるでしょう。

加入している間
iDeCoの掛金は年に1回、窓口の金融機関(運営管理機関)に届け出ることによって、変更することが可能ですが、給与天引きで掛金を支払っている場合は、会社にも連絡しておく必要があります。

掛金変更の届出を提出してから、iDeCoを所管する国民年金基金連合会を経由して会社側に掛金変更の情報が届くまでにはタイムラグがあるため、会社へ連絡しておかないと天引きされる額の変更が間に合わず、あとで調整が必要になる可能性もあります。

掛金の積み立てを停止したいときも同様のことが言えます。

また、休職等により給与の支払いが止まった場合は天引きによる支払いができなくなるため、掛金の積み立てを継続するには個人口座からの引き落としに払い込み方法を変更する手続きが必要となります(掛金の積み立てを停止したい場合は、払い込み方法によらず「加入資格喪失」の届出が必要となります)。

こうした掛金の変更等に関する会社への連絡や手続きは、掛金の払い込み方法を最初から個人口座からの引き落としにしておけば不要です。

離転職のとき
会社を退職し、会社員でなくなる場合や、転職先で給与天引きに対応していない場合、掛金の積み立てを継続するには、払い込み方法を個人口座からの引き落としに変更する手続きが必要となります。離転職の場合は他にもいろいろな手続きが発生しますから、余分な手続きはあまり増やしたくないところです。

また、天引きで掛金を払い込んでいる社員が退職した場合、会社は国民年金基金連合会に対して掛金引き落とし停止の手続きを行う必要がありますが、この手続きが漏れたり遅れてしまうと、本来停止されるべき会社からの掛金の振替処理が行われ、後で会社から掛金相当額の請求がくる可能性もあります。


…というわけで、 iDeCo掛金を給与天引きとしたときに考えられるデメリットを並べてみました。

天引きにすることにより、「加入申出書に個人の口座情報を記入しなくてよい」「残高不足で掛金引き落としができなくなる心配がない」「年末調整で申告しなくても、毎月の給与からの所得税・住民税の控除額に節税分が反映される」といったメリットもあるわけですが、そもそも個人が自分の意思で直接金融機関に加入を申し込む制度なのに、その掛金を給与天引きにする(できるようにする)必要があるのか、個人的には疑問に思うところです。

私は2012年に企業型の確定拠出年金の加入者でなくなり、個人型に移りましたが、会社を通すほうがかえって面倒になりそうな予感がしたので、当初からiDeCo掛金を個人口座からの引き落としで払い込んでいます。

<2018/8/29追記>
iDeCo掛金に会社が上乗せを行うiDeCo+(イデコプラス、中小事業主掛金納付制度)を実施する際には、本人掛金を給与天引きとする必要があります。iDeCo+の関連記事はこちら