先週15日、20年利付国債の入札が行われ、企業年金の各種利率の決定に用いられる今年の国債利回りの結果が出そろいました。過去からの履歴等については当社情報サイトPmasのこちらのページにまとめてあります。今も昔も一番アクセスの多いページです。

国債利回りをもとに決められる利率には、例えば、キャッスバランスプラン(給付の積立額に毎年利息を付けるタイプの企業年金)の利率や、予定利率(確定給付型の企業年金の掛金計算の前提となる将来の運用利回りの想定)の下限の率があります。

予定利率の下限は、毎年4月に、「前年の10年国債利回りの平均」と「前年までの5年間の10年国債利回りの平均」の低い方の率に改定されていますが、2016年はついに10年国債利回りの平均がマイナスになってしまいました。おそらくマイナスの予定利率は許容されないので、0~0.1%の範囲で決定されることになるでしょう。

<2017年2月23日追記>
2017年度の下限予定利率は予想に反してマイナス0.1%と定められました。詳しくはこちら
<追記終>

ちなみに、予定利率の下限は、際限なく予定利率を引き下げると掛金が上昇し、損金算入額が拡大してしまうため、これを防ぐために設けられているものです。あくまで規約に定めた給付を賄うのに合理的な範囲で掛金の損金算入を認める、という考え方です。

キャッシュバランスの率については、決め方はそれぞれの企業年金規約によりますが、一番よくみられるのは10年国債利回りの5年平均を使用しているケースです。2016年までの5年平均は0.5%程度にまで低下しました。率に上限や下限を設けているケースもよくありますが、下限を設けている場合はほぼ下限に張り付いた状態になっています。

一方、確定拠出年金(DC)のほうに目を向けると、国債利回りの水準に最も影響されるのが保険商品の保証利回りです。以下は、10年国債利回りと、ある保険商品(10年保証)の利率の推移をグラフにしたものです。
20161222
ピッタリ連動しているのがわかります。

DCで保険商品を買うということは、保険会社を通じて国債を買っているということです。保証利率のほうが低くなっているのは運用手数料分と考えればよいでしょう。

ただ2016年に入ってからは上下が逆転しています。保険商品はあくまで「元本確保型」なので、国債利回りがマイナスになっても保証利率をマイナスにするわけにはいきません。保険会社としてはなかなか苦しいところですね。