昨日、与党の平成29年度(2017年度)税制改正大綱が公表されました(こちら)。最終的には国会での関連する法案の成立を経て確定することになりますが、実質的にはこの内容でほぼ決まったと考えてよいでしょう。

特別法人税の凍結延長

税制改正大綱には所得税の配偶者控除の見直しをはじめ、様々な改正が盛り込まれており、企業年金・iDeCo関係では「特別法人税の凍結3年延長」が決定されました。

<参考>過去記事
特別法人税の影を振り払うことはできるか?~改正DC法の付帯決議
縦割り感が如実に表れる税制改正要望

上の記事にも書いたとおり、特別法人税は企業年金等の積立金に対して毎年1.173%を課税するものですが、1999年度以降2~3年ごとに課税の凍結が繰り返されており、今回も同様の対応となりました。結果的に、今の確定給付企業年金制度や確定拠出年金制度ができてからは、一度も課税されたことはありません。

今年は改正確定拠出年金法の付帯決議に特別法人税の廃止の検討が定められ、また、財務省を含む各省からの税制改正要望にも(それぞれが所管する制度についての)特別法人税の撤廃が盛り込まれたことから、凍結ではなく廃止も期待されたところですが、残念ながら実現しませんでした。

仮に凍結が解除されると、年金資産に対して毎年1.173%の実質的な運用収益のマイナスが発生することになります。今回の凍結延長期間が切れる3年後、またこの問題が持ち上がることになるでしょう。

積立NISAの創設

金融資産の運用関連では、もう一点、NISAについての見直しがあります。現行のNISAに加え、新たに「積立NISA」の制度を設け、現行制度との選択制になります。

現行制度では、年間120万円までの枠内で購入した上場株式や投資信託に対して、5年間その運用益が非課税となりますが、積立NISAでは購入枠が年間40万円となる一方で非課税期間は20年に延びます。少額でもできるだけ長期の投資を促そうということですね。

ジュニアNISAも含めた各制度の詳しい比較は、例えばこちらのサイトに書かれています(内容の正確性を確認したわけではないのであしからず)。

新しい選択肢ができるというのは基本的には歓迎すべきことなのでしょうが、制度の複雑さが増したということでもあります。税制に限らずお金に関する仕組みというのは、往々にして、最初はシンプルな制度でもだんだん複雑になってわかりにくくなっていきます。 

今回の税制改正大綱にも記載されているとおり、「制度の簡素化や税制によって政策的に支援すべき対象の明確化の観点から、複数の制度が並立するNISAの仕組みについて、少額からの積立・分散投資に適した制度への一本化」を図っていくことが必要でしょう。