来年には、個人型確定拠出年金(iDeCo)の対象拡大という大幅な確定拠出年金制度の改正がありますが、それに続いて再来年(2018年)には、掛金の上限を月単位から年単位に変更するという改正があります。

例えば、企業年金のない会社員のiDeCoの掛金の上限は現在月2.3万円ですが、これが年に27.6万円となります。一見、何も変わらないようですが、例えば年2回のボーナスの支給月にまとめて13.8万円ずつ掛金を積み立てるということも、法律上はOKとなったわけです。

先週2日、この年単位化の具体的な取り扱いを定めた政令の案がパブリックコメントとして公表されました(こちら)。

これによると、年単位の1年とは「12月から翌年11月までの12月間」となっています。但し各月の掛金は基本的に翌月に納付(口座振替)することになるため、実際の支払い月ベースでは1月から12月の1年間ということになりそうです。

また、拠出限度額の算出方法については「各月における拠出限度額を積み上げたものとし、使い残した拠出限度額は繰り越すこととする」とあります。

これは、上記の例で言えば、
20xx年1月の掛金上限:2.3万円
20xx年1~2月の掛金上限:合計4.6万円
20xx年1~3月の掛金上限:合計6.9万円

20xx年1~12月の掛金上限:合計27.6万円
(月は支払い月ベース)
となることを意味しているものと考えられます。

つまり、1月にまとめて27.6万円を拠出することはできないということですね。一方で、ボーナス支給月が6月と12月で、その月に13.8万円ずつ拠出するのはOKということになります。

年の途中で転職して企業年金に加入するなどして、限度額が変更になった場合の取り扱いについては明記されていないですが、同様に各月の限度額を積み上げる扱いになるのではないかと考えられます(けっこうややこしいですね)。

ただこれは(この案のとおりに決まってたとしても)政令で一定の基準を定めたものであり、最終的にはこの基準に沿った形で、企業型DCについては各企業の規約において、iDeCoについては国民年金基金連合会の作成する個人型年金規約において、詳細が定められることとなります。

<2018/1/5追記>
国民年金基金連合会の公式サイトに年単位拠出を行う場合の詳細な取り扱いや手続き、届出様式(記入例)が掲載されました。詳しくはコチラ↓の記事を参照ください。
iDeCo掛金を年単位拠出に変更する場合の書類記入例

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