法律改正により、2017年1月から個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象が大幅に拡大されたわけですが、では新たにiDeCoに加入できるようになるのは次のうちどれでしょうか?なお、いずれも厚生年金には入っているものとします。

  1. 18歳の会社員で、会社に企業年金はない
  2. 40歳の会社員で、会社で企業型DCを実施しているが、本人の選択により加入していない
  3. 63歳の会社員で、会社で企業型DCを実施しているが、60歳時にすでに一時金を受け取っている

確定拠出年金法では、iDeCoに加入できる者を「60歳未満の厚生年金保険の被保険者」としており、これについては改正前後で変わっていません。

年齢の下限は設けられていないため、選択肢1は現在(法改正前)でも加入可能であり、もちろん法改正後も加入できます。

一方で、選択肢3は60歳に到達しているため、現在も法改正後もiDeCoに加入することはできません(この点については大いに改善の余地があると思いますが)。

残る選択肢2ですが、改正前の法律では「企業年金等対象者」はiDeCoに加入できないものとされており、企業型DCに加入していなくても、それが本人の選択による場合には(希望すれば企業型DCの加入者になれるということで)企業年金等対象者に含まれる扱いになっていたため、iDeCoに加入することはできませんでした。

しかし、改正後の法律ではこの条文が削除されており、選択肢2のケースでもiDeCoに加入することができるようになりました。

これまで企業型の「選択制DC」は、企業型DCに掛金を積み立てるか、前払い退職金として(給与や賞与に含めて)受け取るかの二者択一だったわけですが、これに「前払い退職金として受け取ったうえでiDeCoに積み立てる」という第3の選択肢も加わったことになります。

掛金の上限や手数料負担の観点からは、企業型DCに加入した方が有利といえますが、企業型DCの掛金設定が非常に低く、iDeCoへの同時加入も認められていないようなケースでは、この第3の選択肢も検討の余地があるでしょう。

以下、参考までに選択制DCと個人型DCを比較した記事へのリンクです。

選択制DCと個人型DCはどちらがおトクなのか?~①老後資金の観点から
選択制DCと個人型DCはどちらがおトクなのか?~②障害・遺族給付との関係
選択制DCと個人型DCはどちらがおトクなのか?~③休業補償との関係
選択制DCと個人型DCはどちらがおトクなのか?~④失業手当との関係とこれまでのまとめ

なお、一度企業型DCに加入すると、任意に脱退することはできない点には注意が必要です(iDeCoも任意に脱退することはできないが、掛金の払い込みを止めることは可能)。