先週18日に開かれた企業会計基準委員会では、「マイナス金利に関連する会計上の論点への対応」が審議事項として取り上げられ、主に退職給付会計に用いる割引率の取り扱いについて審議が行われました。

今年の1月末に日銀がマイナス金利政策の導入を発表して以降、割引率の設定の基準となる国債利回りがマイナスをつけるという想定外の事態を受けて、2016年3月期の決算においては、緊急的な対応として割引率をマイナスとする方法と、ゼロ止めする方法のいずれも容認する扱いとなっていました(詳しくはPmasコラムを参照)。

但しこれは2016年3月期決算における暫定的な対応であり、マイナス金利の状況が継続していることから、2017年3月期決算以降の対応をどうするのかが検討課題となっています。

今週22日に公表された「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」では、この取り扱いを明確にするために「実務対応報告等の公開草案の公表を経て、平成29年3月までに最終化することを目標として検討を進めている。」としており、18日の基準委員会でも冒頭に事務局からそうした説明があったわけですが、その後の委員とのやり取りを聞いた限りでは、現実的には難しそうな印象です。

というのは、マイナス金利下において割引率をマイナスとすべきか、ゼロとすべきかについては関係者の間でも意見が対立しているようで、公開草案に対する意見募集の期間等を考えると、実務対応報告等で恒久的な取り扱いを示すには、来年3月にはとても間に合いそうにない状況にあるからです。

ただ、何も示さないまま実務上の混乱を招くのは避けなければならないということで、現時点で着地点は見えないものの、検討をスタートさせることは基準委員会で承認されました。

今後の議論の行方がどうなるのかは分かりませんが、今回の様子からすると、2016年3月期と同様の扱い、つまり「とりあえず今期はどっちでもいいよ」ということになりそうな感じがしますね…。

(ちなみに、「リスク分担型企業年金に係る会計処理に関する指針」については、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の中で、「平成28年12月に最終化することを目標として検討を進めている」となっています。)