今日ご紹介するのはこの記事。

最近また年金制度をめぐる国会での議論がよくニュースに出てますが(議論といえるかどうかは別にして…)、今国会で審議されているのは次の2つ法案です。
  1. 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(改正年金機能強化法)
  2. 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案(年金制度改革関連法案)
1は「無年金者救済法」などと呼ばれていて、国民年金を受給するために必要な加入期間を25年から10年に短縮する法案です。このブログでも過去に何回か取り上げていますが、こちらについては16日の参議院本会議で全会一致で可決、成立済みです。

そして2のほうが冒頭の記事で取り上げられている法案であり、概要は次の5つとなっています。
  1. 短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進
  2. 国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除
  3. 年金額の改定ルールの見直し
  4. 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織等の見直し
  5. 日本年金機構の国庫納付規定の整備
各項目の具体的な内容については、みずほ総研のこちらの資料(PDF)に詳しく書いてありますが、このうち、議論を呼んでいるのは3であり、さらに以下の2つの内容からなっています。

(1)マクロ経済スライドによる未調整分のキャリーオーバー

以前「毎年計算し直される年金額」で書いたとおり、今の年金制度では、毎年物価や賃金の上昇率から一定の調整率を差し引いて年金額の改定を行うこととなっていますが、物価(賃金)が下がった場合には、そこからさらに調整率分を差し引くことはしないこととなっています。今回の改正案は、未調整分を次年度以降に持ち越し、物価(賃金)が上がった年にまとめて調整率を差し引く仕組みを導入するものです。

(2)賃金変動率の年金額への反映を徹底

現在は、賃金が物価より大きく下落した場合は、年金額の改定は物価の下落率にとどめる(物価上昇時は年金額の改定は行わない)こととしていますが、今回の改正案では賃金下落率のとおりに年金額を改定(減額)するものとしています。

で、野党はこれを「年金カット法案」などと呼んで批判しているわけですが、これに関する各紙の社説の内容を紹介しているのが冒頭の記事です。

しかし記事の内容を見ると、その見出しとは裏腹に、基本的な部分については各紙とも大きな違いはないように思います。すなわち、
「デフレで物価や賃金が下がったとき、それを年金に反映させなければ、給付額は高水準のままとなり、将来の財源が苦しくなる。長期的に年金を持続可能にすることを考えると、改革案は必要な措置ではある」(毎日)
ということです。

つまり、的外れなのは野党の主張ということですね。ちなみにこんなコラムもあります。
現役世代からすれば、至極まっとうな内容です。