ライフプランの3大テーマといわれる「生きがい」「健康」「経済(資金)」。これは人生の高齢期においても同じです。そしてこれらは「仕事につくこと」と大いに関係しています。

現役世代にとって、仕事に就くことは生活の糧である収入を得ることが一番の目的となりますが、厚生労働省の「高齢社会に関する意識調査」によると、65歳以上の層では「働く理由」として一番多かったのは「生きがい、社会参加のため」となっています。

また、総務省の就業構造基本調査によると、調査時期等については上記とやや異なりますが、就業希望理由として最も多かったのは、65歳以上では「健康を維持したい」となっています。

仕事に就くことと健康状態との関係について検索してみたところ、直接的にそれを示すデータは意外となかなか見当たらず、2002年当時の「都道府県別高齢者の有業率と一人当たり老人医療費との関係」を示すグラフがあるくらいでした(こちらのページ最下部)。

最新のデータで見るとどうなっているのか、作成してみたらこんな感じになりました。
 20161031
縦軸が就業率(%)、横軸が1人あたり医療費の指数(平均=1)、一つ一つの点が各都道府県を表しています。一応、就業率が高いほど、医療費の水準は低い傾向にあるといえそうです(仕事に就いているから健康なのか、健康だから仕事に就いているのかは、これだけでは何とも言えませんが)。

ただ仕事に就くことが、少なくとも健康にマイナスではないことは確かでしょう。

というわけで、働くことは、生きがい、健康、収入の全ての面によい影響を与えるといえそうですが、だからといって、年金や退職金のことは気にしなくてもよいということではありません。

むしろ、年金や退職金によって一定の生活資金が確保されているからこそ、収入よりもやりがいを優先して仕事を選ぶことができますし、起業にもチャレンジしやすくなるのではないかと思います(上記の意識調査でも、高齢期の就業希望理由として、世帯年収が高いほど「経済上の理由」よりも「生きがい、社会参加」の割合が高くなる傾向にあります)。

年金や退職金の収入が少なくても、過度に不安視する必要はないと思いますが、それで最低限の生活費が賄えるのかどうか、賄えないとしたらどれくらい仕事で稼げばよいのかを事前に把握しておくことで、将来に対してより具体的かつ前向きに考えることができるのでなないでしょうか。