年金や退職金は、日本における社会的課題という観点からすると、人口問題(少子高齢化)とのつながりが深いわけですが、地球規模でのより大きな社会的課題の1つに気候変動(地球温暖化)があります。

この「気候変動」と「人口高齢化」の2つの問題について考えてみると、いくつかの共通点が見えてきます。

緩和策と適用策
気候変動の対応には緩和策と適応策があります。緩和策とは温室効果ガスの削減により気温上昇を抑える対策ですが、新興国の経済成長もあってCO2の排出量は減らず、もし仮に排出量を削減できたとしてもすぐに気温上昇が止まるわけではないようです。

したがって、気温上昇による様々な影響が出ることを前提として、いかにそれに適応していくかということも同時に考えていく必要があります。

人口高齢化についても、これを緩和するには出生率を上げる必要がありますが、実際には人口規模を維持する水準にも遠く及ばない状況であり、仮に出生率を上げることができたとしても、その効果が実際の人口構成に表れるまでには10年単位の時間が必要となります。

近い将来、高齢化がさらに進むのは確実であり、これにどう適応していくのかが、より喫緊の課題になります。

それぞれの特性に応じた対策
気候変動の影響はどの地域にも一律に現れるわけではないので、各地域の特性に応じたが緩和策を考える必要があります。例えば、同じ水害であっても土砂災害なのか洪水なのか高潮なのかによって対策は異なってくるでしょう。

人口高齢化ついても地域や世帯、個人の状況によって、受ける影響は異なります。世帯・個人単位で見れば、「こうすれば大丈夫」という画一的な正解はなく、それぞれのライフプランを自ら設計していくことが重要になります。

対策のレベル
気候変動の影響の深刻度により、対策のレベルも異なってきます。一定のレベルまでであれば、堤防を作ったり、避難計画を充実させることによって被害をなくしたり軽減したりすることができますが、そうした方法では対処できないほど深刻な場合には、居住地の移転など、より根本的な対策が求められます。

人口高齢化の経済的な面に目を向ければ、家計の見直しや自助努力による老後資金の積立というのが、ひとまず世帯・個人レベルでの対応ということになります。ただ、それだけでは対応できなくなれば、「支える側」と「支えられる側」を年齢で区切ることの是非といった、より根本的な考え方の見直しが必要になってくるのかもしれません。