退職金は会社に貸したお金であることを知った一般会社員の花田さん。今日はその続きです(昨日の話はこちら)。
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○花田:
ところで退職金の残高ってどこを見たらわかるんでしょうか?
●ライフ・デザイン・アクチュアリー(以下「LDA」):
人事に聞けばわかります!
○花田:
いやいやそれはちょっと聞きづらいですよ。こいつやめるんじゃないかって思われそうだし。
●LDA:
まあそうですよね。わかってますけどあえて言ってみました。
○花田:
他に方法はないんでしょうか?
●LDA:
お金の貸し借りをするときはあとでトラブルにならないように借用書を作ったり契約書を交わしますね。退職金にもちゃんと「借用書」がありますよ。
○花田:
え、そんなの見たことないですけど。
●LDA:
会社によって多少呼び方が違うことがありますが、「退職金規程」というのがそれにあたります。
○花田:
たいしょくきんきてい?
●LDA:
退職金規程は就業規則から退職金に関する決まりを抜き出してきたものです。
○花田:
しゅうぎょうきそく…
●LDA:
まあ実物を見たほうが早いでしょうね。就業規則は全社員が見られるようにしておくことが法律で義務付けられています。最近では社内のイントラネットに載せていることも多いですから一度調べてみたらどうですか?
○花田:
はい、そうしてみます。
(…数日後)
○花田:
就業規則と退職金規程、確かにありました。初めて読みましたがいろんなルールがあるんですね。今までずっと知らずに働いてきました。
●LDA:
それで退職金のことはわかりましたか?
○花田:
いやー、それが書いてあることが難しくよくわからないんですよね。
●LDA:
退職金は返済の条件がいろいろ付いていますからね。まずは返済条件である「支給要件」のとこから見てみましょう。
●LDA:
だいたいそれであってますが、注意点としては「満3年以上の勤務」が条件になっていること。3年たたずに辞めてしまうと退職金は没収です。
○花田:
それならもう7年働いてますので大丈夫です。
●LDA:
もう1つは「会社都合退職」と「自己都合退職」に分けられていること。どちらに該当するかであとで出てくる退職金の計算が違ってきます。
●LDA:
それは「自己都合退職」ですね。転職や結婚・出産、病気やケガ、介護などで自分から「辞めます」という場合は自己都合退職になります。一方で定年退職の場合や、病気・ケガでも会社での仕事が原因の場合は会社都合退職になります。
○花田:
ということは、自己都合は会社都合よりも条件が悪くなっているということですか?
●LDA:
そのとおりです。特に勤務年数が短い間は自己都合退職の金額は低い、つまり退職金は一部しか戻ってこないことが多いです。
○花田:
辞めるときは退職金のこともちゃんと見ておいた方がいいですね。
●LDA:
これは花田さんの会社の退職金規程ですが、会社によって勤務年数の要件や、会社都合と自己都合の扱いは違いますから、自分の退職金は自分の会社の退職金規程で確かめないといけません。
あともう1つ、「こういう場合は退職金を没収します」というのがあります。
懲戒解雇の場合は退職金を没収されてしまうんですね。
●LDA:
「もうすぐ定年だからクビになっても大したことない」と思って飲酒運転で事故を起こしたりすると、2000万円たまってたはずの退職金が返ってこない、なんてこともあり得ます。ちなみに、どんな場合に懲戒解雇されるのかは会社の就業規則に書いてありますので、気になるようなら確かめてみてください。
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退職金は「会社への貸し付け」とは言うものの、いろいろ返済条件が付いていて、ちょっとしたことで大きく金額が変わることがあります。懲戒解雇のような場合は別にしても、極端な場合は退職日が1日違うだけで金額が数百万円違うこともありますから、転職や早期の退職を考えている場合はよく確かめておくことが重要です。
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○花田:
ところで退職金の残高ってどこを見たらわかるんでしょうか?
●ライフ・デザイン・アクチュアリー(以下「LDA」):
人事に聞けばわかります!
○花田:
いやいやそれはちょっと聞きづらいですよ。こいつやめるんじゃないかって思われそうだし。
●LDA:
まあそうですよね。わかってますけどあえて言ってみました。
○花田:
他に方法はないんでしょうか?
●LDA:
お金の貸し借りをするときはあとでトラブルにならないように借用書を作ったり契約書を交わしますね。退職金にもちゃんと「借用書」がありますよ。
○花田:
え、そんなの見たことないですけど。
●LDA:
会社によって多少呼び方が違うことがありますが、「退職金規程」というのがそれにあたります。
○花田:
たいしょくきんきてい?
●LDA:
退職金規程は就業規則から退職金に関する決まりを抜き出してきたものです。
○花田:
しゅうぎょうきそく…
●LDA:
まあ実物を見たほうが早いでしょうね。就業規則は全社員が見られるようにしておくことが法律で義務付けられています。最近では社内のイントラネットに載せていることも多いですから一度調べてみたらどうですか?
○花田:
はい、そうしてみます。
(…数日後)
○花田:
就業規則と退職金規程、確かにありました。初めて読みましたがいろんなルールがあるんですね。今までずっと知らずに働いてきました。
●LDA:
それで退職金のことはわかりましたか?
○花田:
いやー、それが書いてあることが難しくよくわからないんですよね。
●LDA:
退職金は返済の条件がいろいろ付いていますからね。まずは返済条件である「支給要件」のとこから見てみましょう。
第○条(退職金の支給要件)退職金は満3年以上勤務した社員が次の各号の一に該当する事由により退職した場合に支給する。
(1)会社都合退職① 定年により退職したとき② 在職中死亡したとき③ 業務上の傷病により退職したとき④ 役員に就任したとき⑤ 事業の縮小その他やむを得ない業務の都合により退職したとき
(2)自己都合退職① 自己都合により退職したとき② 私傷病により休職期間が満了したとき、または休職期間中に退職を申し出て退職したとき③ 休職期間の満了による退職をしたとき、但し業務上の傷病による休職は除く
○花田:
何かいっぱい書いてありますけど、結局退職したら払いますってことじゃないんですか?●LDA:
だいたいそれであってますが、注意点としては「満3年以上の勤務」が条件になっていること。3年たたずに辞めてしまうと退職金は没収です。
○花田:
それならもう7年働いてますので大丈夫です。
●LDA:
もう1つは「会社都合退職」と「自己都合退職」に分けられていること。どちらに該当するかであとで出てくる退職金の計算が違ってきます。
○花田:
今辞めたらどっちですか?●LDA:
それは「自己都合退職」ですね。転職や結婚・出産、病気やケガ、介護などで自分から「辞めます」という場合は自己都合退職になります。一方で定年退職の場合や、病気・ケガでも会社での仕事が原因の場合は会社都合退職になります。
○花田:
ということは、自己都合は会社都合よりも条件が悪くなっているということですか?
●LDA:
そのとおりです。特に勤務年数が短い間は自己都合退職の金額は低い、つまり退職金は一部しか戻ってこないことが多いです。
○花田:
辞めるときは退職金のこともちゃんと見ておいた方がいいですね。
●LDA:
これは花田さんの会社の退職金規程ですが、会社によって勤務年数の要件や、会社都合と自己都合の扱いは違いますから、自分の退職金は自分の会社の退職金規程で確かめないといけません。
あともう1つ、「こういう場合は退職金を没収します」というのがあります。
○花田:第○条(退職金の不支給要件)1. 次の各号の一に該当する者については、退職金を支給しない。但し、事情により減額して支給することもある。① 就業規則に定める懲戒規程に基づき懲戒解雇された者② 退職後、支給日までの間において在職中の行為につき懲戒解雇に相当する事由が発見された者2. 退職金の支給後に前項第2号に該当する事実が発見された場合は、会社は支給した退職金の返還を当該社員であった者又はその遺族に求めることができる。
懲戒解雇の場合は退職金を没収されてしまうんですね。
●LDA:
「もうすぐ定年だからクビになっても大したことない」と思って飲酒運転で事故を起こしたりすると、2000万円たまってたはずの退職金が返ってこない、なんてこともあり得ます。ちなみに、どんな場合に懲戒解雇されるのかは会社の就業規則に書いてありますので、気になるようなら確かめてみてください。
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退職金は「会社への貸し付け」とは言うものの、いろいろ返済条件が付いていて、ちょっとしたことで大きく金額が変わることがあります。懲戒解雇のような場合は別にしても、極端な場合は退職日が1日違うだけで金額が数百万円違うこともありますから、転職や早期の退職を考えている場合はよく確かめておくことが重要です。