「退職金・年金の超キホン」シリーズの12回目です。第8回からは国の年金について解説しています。

第8回:日本の年金制度は破たんしている?
第9回:生命保険にもなる国の年金
第10回:国民年金と厚生年金~第3号被保険者って何?
第11回:年金は何歳(何月)からもらえる?

前回まとめたように、国の年金は、国民年金(老齢基礎年金)も厚生年金(老齢厚生年金)も基本的に65歳から支給されます。65歳の誕生日を迎える3ヶ月前になると、日本年金機構から請求手続きの案内が届くので、65歳になったら必要書類をそろえて請求手続きを行うことで、年金がもらえるようになります。

なお、2016年3月31日現在、55歳以上の男性と50歳以上の女性については、厚生年金の支給は65歳よりも早く始まります(詳しくは第11回の記事を参照)。65歳になるまでの間に支給される厚生年金を「特別支給の老齢厚生年金」といいます。

しかし、国の年金には「繰上げ支給」「繰下げ支給」という制度があり、請求手続きを行うことで、最大60歳まで前倒し(繰上げ支給)または70歳まで後倒し(繰下げ支給)することができます。

但し、繰上げ支給を行った場合は1ヶ月前倒しするごとに0.5%年金額が減らされます。目いっぱい前倒しすると60ヶ月分の30%減額されることとなります。この減額率は65歳以降になってもそのままであり、あとで繰上げ支給を取り消したり変更したりすることはできません。

一方、繰下げ支給については1ヶ月後倒しすることで0.7%年金額が増えます(但し繰下げ期間は最低1年であり、66歳になる前に請求すると本来と同じ扱いとなる)。目いっぱい後倒しすると60ヶ月の42%増額されることとなります。なお、70歳以降に繰下げてもそれ以上の増額はなく、70歳になった時に請求した場合と同じ扱いになります。

また、65歳前に支給される特別支給の老齢厚生年金は繰り下げることができません。65歳以降の国民年金と厚生年金については、どちらか一方を繰り下げることもできますし、両方繰り下げることも可能です。

ただ、例えば今年65歳で年金をもらい始めた場合の年金額に42%を足したものが、そのまま70歳まで待った場合の年金額になるかというと、必ずしもそうはなりません。ベースとなる年金額が、毎年少しずつ調整されているからです。これについてはまた次回。