確定拠出年金法の改正により来年から個人型DCの対象が広がり、400万人以上の公務員も対象に加わることになるというのは昨日書いたとおりですが、これより人数が多いのが第3号被保険者、いわゆる専業主婦(夫)です。新たに900万人程度が対象に加わります。

掛金の拠出限度額は、企業年金のない会社員(第2号被保険者)と同じ年27.6万円と、公務員(年14.4万円)よりも高く設定されています。

もともと所得のない第3号被保険者が個人型DCに加入することの是非については他でもいろいろ書かれているので、ここではポイントだけまとめておくと、
  • 個人型DCの大きなメリットである所得控除の恩恵はないので、第2号被保険者である配偶者の枠を優先活用したほうがよい
  • 税制上の優位性は運用益が非課税である点に限られるので、一定のリスクを取った運用を行うことが前提
  • 口座管理手数料を勘案すると、掛金水準が低すぎたり短期間で拠出を止めてしまうのは不利
といったところになります。

一方、今回の法改正によって、自動的に個人型DCに移ってくる第3号被保険者が増えることが予想されます。

というのは、企業型DCを実施していた会社を退職して第3号被保険者になった場合、これまでは基本的に「加入期間3年未満または資産額50万円未満」という要件を満たしていれば一時金を受け取ってDC制度から脱退することができたのが、法改正によって第3号被保険者も個人型DCに入れるようになったことで、原則として脱退できなくなるからです(資産額が1.5万円以下の場合は引き続き脱退可)。

この場合、「個人型DCに移るかどうか」の選択ではなく、「個人型DCに引き続き掛金を拠出していくか、今ある資産で運用だけを続けていくか」の選択になります。

選択にあたっての考え方は基本的に上にあげた3つのポイントと同じですが、既に一定の積立金があることや、掛金の拠出を続けるかどうかによる手数料の差は小さい点を考慮に入れるとよいでしょう。また、将来企業型DCのある会社に再度就職することになれば、個人型DCとして積み立てた資産はそのまま企業型DCに持っていくことができます。

企業型DCは会社の制度として実施しているため、掛金を積み立てて運用しているという自覚に乏しいケースもあると思いますが、退職により個人型DCに移る際には、改めて老後資金の積み立てについて考えてみてはどうでしょうか。