ダイヤモンドオンラインに個人型DCの給付の受け取りに関する記事があがっていました(「退職金と個人型確定拠出年金を『同じ年に受け取る』のは要注意!」)。給付を受け取るタイミングなどによって税額の計算が異なり、退職金と同じ年に受け取ると思わぬ税負担が発生することがありますよ、という趣旨の記事です。(個人型DCを取り上げていますが、企業型DCでも同じことです。)

同じようなテーマで書かれたものは以前にも何度か見かけたことがありますが、税金の計算というのは本当にややこしいですね。年金で受け取るケースも考慮に入れると社会保険料(国民健康保険料等)にも影響するため、何が有利なのか分からなくなってきます。

上の記事では、退職一時金が2000万円、DCが288万円、退職所得控除が1500万円であるケースを取り上げ、DCの受け取りを翌年にした方がトータルの税負担を減らせることを説明していますが、どういう仕組みで負担が減るのか、これがベストの選択肢なのかは記事を読んだだけではよくわかりません。

そもそも、どんな場合にもベストな選択ができるとは考えない方がいいのかもと思ったりもしますが、節税という観点からば、「非課税枠は目いっぱい使い、超過してしまう分はもらうのを先延ばしにする」という考え方をベースにすることで、だいぶ整理されるのではないかと思います。

上のケースでいえば、退職一時金で退職所得控除の非課税枠はすべて使い切ってしまうので、DCについては一時金では受け取らず、年金として受け取る。年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となり、年間70万円までは非課税となります(65歳未満の場合)。DCの残高が288万円なので、5年分割で受け取れば70万円の枠には収まります(年金で受け取る場合の最短期間は5年)。

ただ、今年60歳になる人(男性)だと62歳から厚生年金の報酬比例部分の年金支給が始まり、DCの年金額と合算して税金が計算されます。DCの年金(分割取崩)としての受け取り方法には、均等払いのほかに年度ごとに配分を指定する方法もありますので、最初の2年の配分を多めにして70万円の枠をフルに使うことが考えられます。

…とまあやっぱりややこしくなってしまいますね。負担額が受け取り方法に大きく左右されないような税制や社会保障の仕組みにしてもらうのが一番だと思います。

<2016/11/23追記>
DCを一時金で受け取る場合、受け取り時期を翌年にしたほうが税負担を減らせる仕組みについて、こちらの記事に図解入りの説明をのせました。少なくとも上記のダイヤモンドオンラインの記事よりはわかりやすいかと思います。

<2017/5/1追記>
DB(確定給付型の企業年金)の受け取り方法についてはこちらの記事をご覧ください。