退職金や企業年金に関する統計調査はいくつかありますが、情報量でみると賃金に関する調査のほうが圧倒的に勝っています。例えば、厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、性別、年齢階級別、学歴別、企業規模別、産業別といった項目別に細かく集計されています。

そこでこの調査結果をもとに、各集計区分ごとのモデル厚生年金額(基礎年金部分を含む)を概算で算出してみました。

まず、「男・大学(院)卒」のモデル年金額(月額)を産業別に大きい順に並べていくと、

 金融業、保険業:20.4万円
 鉱業、採石業、砂利採取業:20.3万円
 情報通信業:18.8万円
 …
 宿泊業、飲食サービス業:14.2万円

となり、最も大きい「金融業、保険業」と最も小さい「宿泊業、飲食サービス業」との差は6.2万円です。65歳時の平均余命である19年分の金額に直すと約1400万円の差となります。

次に、「女・大学(院)卒」でみると少し順位が変わり、

 情報通信業:17.6万円
 教育、学習支援業:16.2万円
 鉱業、採石業、砂利採取業:16.2万円
 …
 宿泊業、飲食サービス業:12.6万円

となっています。

男性を100とした場合の女性の金額で比較すると、

 情報通信業:94
 運輸業、郵便業:91
 教育、学習支援業:90
 …
 建設業:77

となり、男女比も産業によってかなり差があることがわかります。

退職金や企業年金を老後の生活保障のためのものと位置付けた場合、退職金・企業年金の水準だけでなく、公的年金の水準についても考える必要があります。詳しい結果は機会を改めて紹介しようと思いますが、自社の厚生年金の水準がどれくらいなのか、ということに目を向けるのも重要ではないでしょうか。