確定拠出年金法の改正により個人型DCの加入対象が拡大され、企業型DCを実施している企業では「従業員拠出」のあり方を考えておくことが求められます(参考:「企業型DCで従業員拠出を可能にする3つの方法」)。

ところでこの従業員拠出、つまり企業年金制度の加入者による掛金の拠出は、確定給付企業年金制度(DB)でも認められています。
<確定給付企業年金法>
第55条 事業主は、給付に関する事業に要する費用に充てるため、規約で定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出しなければならない。
2 加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、前項の掛金の一部を負担することができる。

<確定給付企業年金法施行令>
第35条 法第55条第2項 の政令で定める基準は、次のとおりとする。
一 加入者が負担する掛金の額が当該加入者に係る法第55条第1項に規定する掛金の額の二分の一を超えないこと。

DCのマッチング拠出(従業員拠出による掛金の上乗せ)が事業主掛金以下に制限されているのは、上記の令第35条第1号にあるように、もともとDBにおいて加入者掛金が掛金全体の1/2を超えないようにしていることと整合させているものと考えられます。

共済年金と厚生年金の一元化に伴い、企業年金の「公務員版」として新たに創設された「年金払い退職給付」でも掛金は労使折半となっていますが、DBで加入者掛金を設定しているところはかなり少ないです。なお、加入者掛金を設定しているケースでは、掛金に一定の(または国債利回りに連動した)利息を付与して積み上げた金額を給付額としている(キャッシュバランスプラン)のが一般的です。

DBで加入者掛金の仕組みがあまり広まっていない理由としては、
  • 企業側にとって財務上のリスクが増す(加入者掛金部分についても運用の責任は企業側にある)
  • 加入者掛金は生命保険料控除の扱い(DCの掛金が全額所得控除となるのに比べて従業員側のメリットが小さい)
  • そもそも加入者掛金の仕組みが知られていない
といったところが考えられます。 

ただ国として老後の資金準備に対する個人の自助努力を後押ししていこうという流れの中にあっては、DBの加入者掛金についても税制上の取り扱いをDCと揃えたうえで、導入しやすい環境を考えていってもいいのではないかと思います。