今月13日に開かれた第340回企業会計基準委員会にて、基準諮問会議からの新規テーマの提言等について報告があり、マイナス金利に係る種々の会計上の論点への対応について「基準開発の要否及び時期については貴委員会の判断に委ね、適時に対応を図ることを依頼いたします」とされました。 

「マイナス金利に係る種々の会計上の論点」には退職給付会計における割引率の取り扱いも含まれ、2016年3月期の決算では、割引率がマイナスになった場合の暫定的な対応として「マイナスの率をそのまま用いる」「ゼロとする」のどちらの取り扱いも容認する扱いになっています(詳しくはこちら)。

なお、基準諮問会議からの報告の中では、次のような意見もあったとして付言されています。
退職給付債務の割引率について、仮にゼロを下限とする方法を認めないとすると、数理計算上の差異が多額に発生する可能性があり、財務制限条項に抵触する可能性等もあるため、年度末までに余裕をもって対応を図って欲しい。
企業会計基準委員会と基準諮問会議はともに公益財団法人である「財務会計基準機構」の中に設けられた組織であり、会計基準等の開発・審議を行う企業会計基準委員会に対して、基準諮問会議は新規テーマの提言や審議に関するアドバイスを行う役割を担っています。

基準諮問会議の名簿は財務会計基準機構のサイトで公開されており、議長は住友化学(株)の専務執行役員、そのほか監査法人や金融機関、証券取引所、一般事業会社、大学教授などのメンバーで構成されています。

機関誌「季刊 会計基準」第49号(2015年6月発行)に掲載されている「特集 基準諮問会議の活動」によると、基準諮問会議では新規テーマに関して、
  • 企業会計基準委員会へ新規テーマとして提言
  • 提言には至らなかったテーマとして記録、または次回へ繰越し
のいずれかの判断を行うこととされていますが、今回のマイナス金利への対応については基準開発の要否を企業会計基準委員会に委ねるとしており、両者の中間的な取り扱いであると言えます。

とはいえ、企業会計基準委員会は基準諮問会議の提言を尊重して審議テーマを決定するとされており、実際これまでに提言のあったテーマは全て企業会計基準委員会で取り上げられているようですので、マイナス金利の対応についても2016年度末に向けて議論が行われ、一定の結論が出されることになるのではないかと思います。