厚生労働省で毎年行われている統計調査の1つに「就労条件総合調査」があります。ほぼ5年に1回、退職金に関する項目についても調査が行われているため、退職金の水準や算定方式に関する動向を把握するのによく使っています。

先日、この就労条件総合調査の中に「資産形成に関する援助制度」という項目があるのを見つけたので、備忘の意味もこめてその概要を書いておくことにします。

この調査も5年に1回行われており、直近の2012年の結果は次のとおりとなっています。
20160628

大きなくくりで見ると、最も多くの企業で実施されているのが貯蓄制度で、中でも一般財形貯蓄の割合が高くなっています。財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄と違い、使途が限定されていないのがメリットですが、税制優遇措置はありません。

次に多いのが保険の援助。総合福祉団体定期保険は会社が契約者となって、従業員が在職中に死亡した場合に遺族に保険金を支払う制度です。死亡退職金や弔慰金に充てられるケースも多いかと思います。
また、この調査項目にはありませんが、先日訪問した会社では、拠出型企業年金保険(会社を通じて個人年金に入れる制度)を実施しており、加入した従業員には保険料の一定割合を補助しているという話を聞きました。

その他、持株援助制度(自社株の購入に対する援助)や住宅資金融資、ストックオプション制度を設けているところもあります。ストックオプションについては、上場企業の役員報酬(従来の退職慰労金の代替)としては普及してきていますが、従業員へ付与するケースはかなり限られているようです。

また、過去の調査も見てみると、全体的に援助制度の割合は低下傾向にあるのが見て取れます。1999年の調査では貯蓄制度65.2%、社内保険援助制度45.4%となっていましたが、5年おきの調査ごとに下がってきています(調査対象がより小規模の会社に広がった影響もありますが)。コストに見合ったメリットが感じられなくなってきたということでしょうか。

ただ社員にとってみると子育てや教育、親の介護、そして自分の老後に対する負担や不安は従来よりも増してきているのではないかと思います。これまでのような単なる貯蓄や生命保険ではなく、資産形成以外の手段も含めて、そうした負担や不満を解消できるような福利厚生が求められているのかもしれません。