確定拠出年金法の改正案が成立したことで、自助努力による老後資金の積み立て手段である個人型の確定拠出年金への注目度が高まりつつありますが、会社員にとっての老後資金の積み立て手段には他にどのようなものがあるでしょうか。

給与天引きにより毎月積み立てられる制度としては、財形年金貯蓄と拠出型企業年金保険が挙げられます。

財形年金貯蓄は会社が提携している金融機関の定期預金等により定期的に積立を行う制度です。
  • 5年以上定期的に積み立てること
  • 年金給付は60歳以降、5年以上にわたり定期的に受け取ること
といった要件を満たすことにより、利子等が非課税になる仕組みです。途中解約も可能ですが、過去にさかのぼって課税されるなどのペナルティがあります。
なお、所得から控除できるような税制優遇措置はありません。

もう一つの拠出型企業年金保険は名称が紛らわしいのですが、確定拠出年金とは全く別物です。生命保険会社で取り扱っている個人年金を会社や団体を通じてまとめて取り扱い、給与天引きで保険料を積み立てる仕組みです。

ハッピーライフ(日本生命)やドリーム年金(第一生命)のような商品名で売られているので、加入している人も「拠出型企業年金保険」と言われてもピンと来ないかもしれませんね。

一定の要件を満たした場合は通常の個人年金と同じように生命保険料控除の適用を受けることができ、年間5万円または4万円を上限に、保険料(の一部)を所得から控除できます。

こうした制度と個人型の確定拠出年金を比べると、60歳までの途中引き出しや、掛金の上限が厳しく制限されている見返りとして、税制上の優遇措置が非常に大きいといえます。 老後資金の積み立てにという目的に特化して考えれば、最優先で活用したい手段です。

一方で、個人型の確定拠出年金は企業が金融機関と提携しているわけではなく、自分で全て手続きをしないといけない点で、ハードルが高くなっています。この点については、法改正の中に盛り込まれた「制度の普及・拡大に向けた取り組み」の中で、何らかの対応がとられるかもしれません。

また、確定拠出年金というと資産運用のイメージがありますが、例えば財形年金貯蓄なんかと比較すると同じように定期預金に預けていたとしてもより大きな税制上のメリットがありますので、そういう観点で考えるととりあえず定期預金に置いておくというのでも十分意味はあるのではないかと思います。