昨日に引き続き、企業年金連合会の確定拠出年金実態調査より、運用商品に関する結果を紹介します。

投資対象別の運用商品数の平均は昨日紹介したとおりですが、加入者が選ぶことのできる商品の合計数は平均で18.8本となっています。ただ以下のとおり規約(各社それぞれのプラン)によって本数にはバラつきがあり、中には30本を超えるところもあります。
 20160609
また、デフォルト商品の設定状況についても調査されており、設定ありとする回答は6割、そのうち96%はデフォルト商品として元本確保型商品を設定しています。

ちなみにデフォルト商品とは加入者が自分で商品を選択しない場合に自動的に選択される商品のことです。 制度に加入して掛金が口座に入ってもほったらかしの人が結構いるということですね…

そしてこの2つの項目については、先月成立した確定拠出年金法の改正により見直しが行われます。

まず、運用商品数については上限が設けられることになります。具体的な本数は政令で定めることとしており、まだ明らかになっていませんが、上記のような現状も踏まえて20本くらいになるのではと勝手に想像しています。

そしてデフォルト商品の設定に関しては、これまで通達レベルでガイドラインのみが示されていたものが、省令で一定の要件を定めると明記されました。こちらも具体的な内容はまだ不明ですが、元本確保型の商品ではなくバランスファンド等の投資信託商品の設定を促すような内容になりそうです(但しデフォルト商品を設定するかどうかはについてはこれまでと同様に任意)。

これらの見直しは、投資教育をいくらがんばってもそれだけでは限界があるよね、というところからきています。商品の選択肢が多くなりすぎると逆に選ぶのが難しく(そして選ばなく)なりますし、いくら熱心に教育しようとしても無関心な人は一定数出てきます。

ちなみに私はSBI証券の個人型DCプランに入っていますが、商品数は実に49本です。掛金の配分を設定するWEBサイトの画面はこんな感じです。
20160609-2
これで終わりではなく、2画面分下にスクロールしないと全て確認できません。確かにここから選べと言われても…とは思いますね。

ただ普段の買い物のことを考えてみれば、 キオスクのような小さな店舗でも商品の数は10や20どころではありません。WEB上の通販サイトともなればそれこそ無数の商品があります。

それでも自分で商品を選ぶことができるのは、どんな商品を買いたいのかが分かっていて、どこにあるのかを簡単に見つけることができるからです。

DCの商品選択についても、自分に合った商品がどれかというのを見分けられるようなWEBサイトのつくりになっていれば、本数を減らさなくても選べるようになるのではないでしょうか。例えば初心者向けにリスクの度合いが異なる商品(または配分割合も含めた商品の組みあわせ)を3パターン程度わかりやすく示しておき、そこから1つ選べば手続きができるようにしておくといった具合です。

こうした提示のしかたは確定給付型の企業年金では普通に行われていることです。年金運用の専任担当者がいるような大企業は別として、 数百人くらいまでの規模の会社であれば、信託銀行から示された資産構成の異なるいくつかのタイプから1つを選んで運用を委託するのが一般的であり、ファンドを1つ1つ選ぶということはしません。

但しDCでこれを実行するには、数ある商品の中から加入者に対してどの商品(あるいは商品の組み合わせ)をどのように提示するのかを企業側で決めておかなくてはいけません。また、業務委託先である金融機関(運営管理機関)のほうでは、企業側の希望に合わせたWEBサイトのカスタマイズができるようにしておく必要があります。

リアルな店舗に例えれば、お客様が選びやすいように商品の配置を組み替えたり、一番目立つところに何を置いたらいいかを見極める力が必要になるということですね。そして店を潰さないためには、店が売りたい商品を前面に出すのではなく、お客様にとっていい商品は何かを一番に考えなければならないのは言うまでもありません。