20日、衆議院の厚生労働委員会で確定拠出年金(DC)法改正案が可決されました。参議院ではすでに可決されており、今国会での成立がほぼ確実な情勢です。

個人型DCの対象者拡大をはじめとした本法案の概要については、Pmasに掲載した以下のコラムをご覧ください。

確定拠出年金(DC)法等の一部を改正する法律案の影響とは?~1.個人編
確定拠出年金(DC)法等の一部を改正する法律案の影響とは?~2.企業編

なお、本法案が提出された前国会では成立に至らず継続審議となったことから、施行期日については今国会で一部修正されています。
  • 投資教育の企業年金連合会への委託:2015年10月1日 → 2016年7月1日
  • 掛金拠出の年単位化:2017年1月1日 → 2018年1月1日

さて、あまり大きくは取り上げられていませんが、今回の改正案には企業型DCにおける運営管理業務の委託に関する見直しが盛り込まれています。

現状では、DCを導入している企業において、業務委託先である運営管理機関(銀行、証券、保険会社等)の評価に関する規定は特段設けられていませんが、本改正案では「少なくとも5年ごとに委託先の運営管理機関を評価・検討し、必要に応じてこれを変更すること」を事業主の努力義務として定めています。

運営管理機関は運用商品の選択肢を提示するとともに、適切な投資行動に資するための様々な情報提供を加入者や企業の担当者に対して行っています。今回の改正の趣旨は、運営管理機関間の競争を促してサービスの向上を図ることにあります。

ただ、現在でもDCを新たに導入するときには、3つ以上の運営管理機関について比較・検討した結果をつけて当局に申請する必要があるものの、どこまで効果が上がっているのかは疑問です。運営管理機関のほうで(本来事業主が作成すべき)他社との比較表も用意しているとか…。

そうした状況を考えると、5年ごとの評価ルールを作ったとしても、企業サイドの意識が変わらなければ結局は形骸化してしまうでしょう。そして企業サイドの意識を変えていくには、加入者である社員1人1人がDCに関心を持ち、よりよいサービスを受けるための権利をもっていることを自覚することが重要です。

企業年金の仕事に携わる身として、正しい知識と情報を広めるとともに、社員の立場に立って考え、行動する担当者を1人でも増やしていきたいと思います。