先日、DC(確定拠出年金)法の改正案が参議院の厚生労働委員会で審議入りしたという記事を書いたところですが、15日には参議院本会議で可決され、衆議院に送られることとなりました。

衆議院では先の国会で一度可決されていることから、今国会で再可決、成立するのはほぼ確実だと思います。

なお、今回の参議院での可決にあたっては、法案に以下の修正が加えられていますが、いずれも前国会から継続審議になったことに伴う施行期日の修正のみです。
  • 投資教育の企業年金連合会への委託:2015年10月1日 → 2016年7月1日
  • 掛金拠出の年単位化:2017年1月1日 → 2018年1月1日

一方、付帯決議として、以下の5つが取り上げられています。
  1. 解散する厚生年基金から他の企業年金への移行支援、及びDB(確定給付企業年金)・DC・中退共(中小企業退職金共済)等の制度間のポータビリティの拡充
  2. 加入者に対して、元本確保型の運用商品を含めたリスク・リターン特性の異なる運用商品から3つ以上を選定・提示することや、確定拠出年金の普及拡大に向けた効果的な広報の在り方等
  3. 制度加入時や加入期間中の手数料低減のため、取扱金融機関間の自由で公正な競争環境の整備及び国民年金基金連合会を含めた費用の透明化
  4. 個人型DCの第3号被保険者への拡大にあたり女性の活躍推進を阻害しないよう留意するとともに、国民年金第3号被保険者制度の在り方について引き続き検討
  5. 2016年度末まで凍結されている特別法人税について、給付時との二重課税防止の観点から廃止について検討

いずれも重要な論点を含んでいますが、このうち私が最も注目しているのは、5つめの「特別法人税の廃止」です。

特別法人税とはDB・DCを問わず、企業年金の積立金に対する課税であり、年率1.173%が課税されます。

その根拠は「企業年金への掛金については実際の給付時まで課税を繰り延べることとされていることから、その遅延利息に相当するものとして年金積立金に対して課税する」ということなのですが、1999年4月から2年間課税が凍結され、その後も2~3年ごとに凍結の延長が繰り返されています。

現在は実に7回目の延長期間であり、現在のDB・DC制度ができてからは実際には1回も課税されたことはありません。

5.5%の利回りが楽に達成できた時代ならともかく、金利がマイナスに突入した今、資産残高の1.173%を毎年税金として支払うことになったら企業年金には大きな打撃です(会社にとっても社員にとっても)。

過去には特別法人税の凍結を延長するための「租税特別措置法」の成立が遅れ、「つなぎ法案」で何とかしのいだというようなこともありました。

現在のような経済状況が続く限り、今後も実質的に課税の可能性はゼロに近いと思いますが、期間限定の「凍結」である限りはやはり凍結解除の不安がつきまといます。

これを機に、来年3月末の凍結期間終了時には8回目の延長ではなく、廃止されることを期待したいと思います。

<2017年2月1日追記>
2016年末に決定した与党税制大綱では、特別法人税は「3年間の凍結延長」となりました。特別法人税の撤廃には、退職所得控除の縮小など、「何かと引き換え」にすることが必要になりそうです…という記事をこちらに書いています。